この記事は次の公式情報をもとにしています(確認日:2026年11月4日)。手続きの細かい点は市区町村で違うため、申請先で確認してください。
この記事の結論
墓じまいは、法律では「改葬」にあたります。遺骨を移すには、今のお墓がある市区町村の改葬許可が必要です。申請には改葬先の受入証明書が要るため、先に遺骨の行き先(改葬先)を決めるのが進め方のポイントです。
墓じまいとは
墓じまいは、今あるお墓の墓石を撤去して区画を墓地に返し、遺骨を別の場所へ移すことです。お墓を継ぐ人がいない、遠くてお参りに通えない、といった理由で選ばれます。
法律(墓地、埋葬等に関する法律)では、お墓に納めた遺骨を別のお墓や納骨堂へ移すことを「改葬」と呼び、市区町村長の許可を受けなければならないと定めています(第2条第3項・第5条第1項)。墓じまいの手続きの中心は、この改葬許可です。

何から手をつければいいのか分からなくて…。

まずは全体の順番をつかみましょう。書類は「改葬先 → 今の墓地 → 市区町村」の順にそろえます。
墓じまいの全体の流れ(6ステップ)

1. 家族・親族で話し合う
墓じまいは、お墓に眠る人に関わる家族・親族みんなの問題です。あとで意見が分かれないよう、最初に次のことを話し合っておきます。
- 墓じまいをするかどうか、いつごろ進めるか
- 遺骨をどこへ移すか(永代供養・樹木葬・納骨堂・散骨・手元供養など)
- 費用を誰がどう負担するか
- お墓の名義人(墓地の使用者)は誰か。申請する人と違う場合は、名義人の承諾書が必要になります
2. 改葬先を決めて「受入証明書」をもらう
遺骨の行き先を決め、改葬先の管理者から、遺骨を受け入れることを示す書類(受入証明書)をもらいます。永代使用許可証や墓地の使用許可書などで代えられる自治体もあります。行き先の種類と違いは「遺骨の行き先5つの違い」で比べています。
3. 今の墓地で「埋蔵証明」をもらい、改葬許可を申請する
今のお墓の管理者(お寺・霊園)に、遺骨が納められていることの証明(埋蔵証明・収蔵証明)を書いてもらいます。受入証明書・埋蔵証明・申請書がそろったら、今のお墓がある市区町村に改葬許可を申請します。許可されると「改葬許可証」が交付されます。書類の詳しい集め方は「改葬許可申請のしかた」にまとめました。
4. 閉眼供養(魂抜き)
墓石を撤去する前に、お墓に宿るとされる魂を抜く閉眼供養を行うのが一般的です。お寺の墓地の場合は、檀家をやめる(離檀)話もこの前後に進みます。お寺の墓地での流れは「檀家をやめるときの流れ」をご覧ください。
5. 墓石を撤去して区画を返す
石材店に頼んで墓石を撤去し、区画を更地にして墓地に返します。墓地によっては工事できる業者が決まっている(指定石材店)ことがあるため、先に管理者に確認します。
6. 改葬先へ納骨する
改葬許可証を改葬先の管理者に渡して、納骨します。墓地や納骨堂の管理者は、改葬許可証を受け取った後でなければ遺骨を納められないと法律で決まっています(第14条)。
書類が出てくる順番
| 書類 | どこでもらう・出す | ステップ |
|---|---|---|
| 受入証明書 | 改葬先の管理者からもらう | 2 |
| 埋蔵(収蔵)証明 | 今の墓地の管理者に書いてもらう | 3 |
| 改葬許可申請書 | 今のお墓がある市区町村に出す | 3 |
| 承諾書(名義人と申請者が違うとき) | 墓地の名義人に書いてもらう | 3 |
| 改葬許可証 | 市区町村から交付され、改葬先に渡す | 3・6 |
申請書の様式、手数料、郵送やオンラインで申請できるかは市区町村で違います。たとえば長野市はオンライン申請に対応していますが、オンラインでは代理申請ができません(2026年11月4日確認)。
何から始めるか(チェックリスト)
- お墓の名義人(墓地の使用者)と、管理者(お寺・霊園・自治体)を確かめる
- お墓に納められている人の人数と、名前・亡くなった日を書き出す(申請書に書く項目です)
- 家族・親族で、遺骨の行き先と費用の分担を話し合う
- お寺の墓地なら、早めにお寺に相談する
- 今のお墓がある市区町村のホームページで、改葬許可の様式と必要書類を確かめる
費用がかかるところ
墓じまいの費用は、お墓の大きさ・場所・改葬先の種類で大きく変わります。主にお金がかかるのは次の項目です。
- 墓石の撤去と区画を返すための工事
- 閉眼供養のお布施
- 改葬先の費用(永代供養料・使用料など)
- 証明書の発行などにかかる手数料(墓地・自治体による)
- お寺の墓地の場合、離檀に関するお礼(お寺によって考え方が違います)
実際の金額は、石材店や改葬先に見積もりを取って確かめます。
